繊維分野における抗菌性に関する技術は、繊維や布地に抗菌剤を配合し、ウイルスやカビ、アレルゲンの抑制を目的とする。抗菌剤には無機系のチタン系光触媒や金属イオンを活用したものがあり、これらは酸化作用や酸化剤の働きによって微粒子レベルで繊維表面に作用する。抗菌作用の持続性向上のために、バインダやコーティング技術を用い、繊維への耐久的な定着が図られる場合もある。特にセルロース繊維など天然繊維には、キトサンやそのアセチル化物が調製され、脂肪酸やアルキル基の置換構造を持つことで抗菌性を発揮している。ナノファイバの形成やエレクトロスピニングによる微細構造の制御は、繊維径や表面積の最適化に寄与し、効率的な抗菌性能の実現につながる。さらに、界面活性剤の適切な配合や塗布、塗工液の調整により給水性や洗濯槽での溶出を抑え、耐久性を保つ技術も含まれる。電界や電流を利用した帯電処理などの物理的手法も抗菌機能の強化に貢献する。これら技術群は、抗菌性の発現だけでなく耐久性や人体への安全性、洗濯持続性を総合的に考慮したものとなっている。