繊維分野における配向に関する技術は、繊維の単繊維や繊維束の配向状態を制御し、引張強度や引張弾性率、伸度などの物理的特性を向上させる技術群である。具体的には、撚りや仮撚加工によって繊維の内部構造を整え、繊維配向を高める手法が含まれる。さらに、エレクトロスピニングによるナノファイバーやカーボンナノチューブ(CNT)などのナノスケールの繊維の配向制御も重要であり、これにより材料の導電性や圧電性を制御することが可能になる。加えて、前駆体からの炭化工程を経て作られるカーボン系繊維の配向も技術範囲に含まれ、単糸やストランドの集合体形成、絡合や結合剤の使用によって繊維束としての機械的特性を増強している。織布や編物における繊維配向は布地の風合いや染色性、坪量や目付に影響し、これらの制御技術も配向技術に含まれる。熱風による熱融着や含浸、凝固といった化学的・物理的処理も配向の安定化を図る手段として重要である。さらに、基板やマトリックスとの複合体形成においても繊維配向が材料の最終性能を左右し、特に圧電素子やセンサ用途の圧電性繊維や導電性繊維では配向技術が不可欠である。